LEDビジョンは、大規模な情報表示を可能にするディスプレイシステムです。
近年、商業施設や公共空間などでその活用が拡大していますが、その仕組みについて詳しく理解していないひともいるでしょう。
今回は、LEDビジョンの仕組みを技術的な側面から解説します。

LEDビジョンとは何か
LEDビジョンの定義と概要
LEDビジョンは、多数の発光ダイオード(LED)を組み合わせて映像や情報を表示する大型ディスプレイシステムです。
LEDは、電気を流すと光を発する半導体素子で、赤、緑、青の3色のLEDを組み合わせることで、様々な色を表現できます。
LEDビジョンは、これらのLEDを緻密に配置したモジュールを、さらに大きなパネルに組み合わせて構成されています。
そのサイズは数メートルから数十メートルに及ぶ場合もあります。
LEDと発光ダイオードの原理
LEDは、p型半導体とn型半導体を接合したPN接合構造を持っています。
p型半導体には正孔(電子の抜けた穴)、n型半導体には電子が存在します。
電圧を加えると、電子と正孔が接合部で再結合し、そのエネルギー差が光として放出されます。
LEDの種類によって、放出される光の波長、つまり色が異なります。
赤、緑、青のLEDを組み合わせることで、フルカラーの映像表示が可能になります。
LEDビジョンの構成要素:ユニット・モジュール
LEDビジョンは、複数のユニットで構成されています。
ユニットは、LED素子が搭載されたモジュールと、モジュールを保護・支持するフレームから成ります。
モジュールは、多数のLEDが規則的に配列された基板で、ピクセルピッチによって解像度が決定されます。
多くの場合、赤、緑、青のLEDが1ピクセル内に配置され、それぞれのLEDの輝度を制御することで、様々な色を表現します。
ピクセルピッチと解像度の関係
ピクセルピッチとは、隣り合うLEDの中心間距離のことです。
ピクセルピッチが小さいほど、単位面積あたりのLEDの数が増え、解像度が高くなります。
高解像度のLEDビジョンは、より鮮明で滑らかな映像表示が可能です。
しかし、ピクセルピッチが小さくなると、製造コストも高くなる傾向があります。
輝度と視認距離の関係
輝度とは、LEDビジョンの明るさを表す指標です。
輝度が高いほど、明るい場所でも映像がはっきりと見えます。
視認距離は、LEDビジョンの映像を快適に視認できる距離です。
輝度が高いほど、視認距離は長くなります。
屋外で使用されるLEDビジョンは、高い輝度が求められます。
視野角と設置場所の関係
視野角とは、LEDビジョンをどの角度から見ても映像が鮮明に見える範囲のことです。
視野角が広いほど、広い範囲から映像を見ることができます。
設置場所を選ぶ際には、視野角を考慮する必要があります。
例えば、広い空間で多くの観客に映像を見せる必要がある場合は、視野角の広いLEDビジョンが適しています。
LEDビジョン仕組みの深掘り
LEDビジョンの制御システム
LEDビジョンは、制御システムによって個々のLEDの輝度を制御しています。
制御システムは、映像信号を処理し、各LEDに送る信号を生成します。
この信号に基づいて、各LEDの明るさが変化し、映像が表示されます。
制御システムには、様々な機能が搭載されており、例えば、明るさの調整、色の補正、映像の切り替えなどが可能です。
映像信号処理と表示技術
LEDビジョンは、入力された映像信号を処理し、表示可能な信号に変換します。
この過程で、解像度の変換、色の補正、明るさの調整などが行われます。
表示技術には、様々な方法がありますが、一般的なのは、各LEDに個別に信号を送信する方法です。
この方法では、高精細な映像表示が可能です。
LEDの駆動方法と電力効率
LEDの駆動方法には、定電流駆動と定電圧駆動があります。
定電流駆動は、各LEDに一定の電流を供給する方法で、輝度を安定的に維持できます。
定電圧駆動は、各LEDに一定の電圧を供給する方法で、回路が簡素化できます。
電力効率を高めるためには、LEDの種類や駆動方法を最適化する必要があります。
冷却システムと熱対策
LEDは発熱するため、冷却システムが重要です。
冷却システムは、LEDから発生する熱を効率的に放熱し、LEDの寿命を延ばす役割を果たします。
冷却方法には、自然冷却、強制空冷、水冷などがあります。
屋外設置の場合は、特に熱対策が重要になります。
様々なLEDの種類と特性
LEDには、様々な種類があり、それぞれ特性が異なります。
例えば、明るさ、色純度、寿命、消費電力などが異なります。
LEDビジョンでは、用途や設置場所に合わせて適切なLEDを選択する必要があります。
防水防塵構造と屋外設置への対応
屋外で使用されるLEDビジョンは、防水・防塵構造が必須です。
防水・防塵構造は、雨や埃などの影響からLEDビジョンを保護し、安定した動作を確保します。
IP規格で防水・防塵性能が規定されており、屋外設置には高いIP等級の製品が求められます。
LEDビジョンとデジタルサイネージの違い
LEDビジョンはデジタルサイネージの一種ですが、デジタルサイネージには液晶ディスプレイやプロジェクターなども含まれます。
LEDビジョンは、高い輝度と視認性、大画面表示が可能な点が特徴です。
デジタルサイネージは、場所や目的に合わせて様々な種類のディスプレイが使用されます。
まとめ
本記事では、LEDビジョンの仕組みについて、LEDの発光原理から制御システム、表示技術、そしてデジタルサイネージとの違いまでを解説しました。
ピクセルピッチ、輝度、視野角といった重要な指標についても説明しました。
LEDビジョンの仕組みを理解することで、より適切な導入計画を立てることができるでしょう。
LEDビジョンは、その高い視認性と柔軟な設計から、様々な用途に適応できる優れた技術です。
今後も技術革新が期待され、より高精細で省エネルギーなLEDビジョンが登場すると考えられます。
本記事が、LEDビジョンに関する技術的な理解を深める一助となれば幸いです。

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